2017年暮れが押し迫る頃、奥様のご加持能力は日に日に精密かつ高性能になっていきます。なぜ日に日にそうなるのか私には理解できません。 奥様は患者から出ている波動を自分の体に転写させ、そして悪い部分の詳細を私に伝えてくれます。私はふとネット検索をしていて、レイキというヒーリングでも似たようなことができるらしいことを知ります。ところが、そこでは「患者の波動を自分に転写させると自分の体が参ってしまうのでできる限りしないこと」と語っていました。 「できるだけしない方がいい」と他のヒーリンググループが言っていることを黙々と奥様がやっているので私は少し気がかりになります。奥様はそれを「功徳を積むこと」と信じているようなので今のところ私が口をはさむべきではないと思っています。 最近奥様はできるだけ多くの患者をご加持で診断することに同意してくれています。自分の体調を崩すリスクがあるにもかかわらずです。。 そんな中、今日は背中の左側のアロディニアに苦しんでいて、隔週で胸部硬膜外ブロックを受けている患者を奥様がご加持しました。アロディニアとは別名「異痛症」と呼ばれ、触った感覚が痛みとして伝わる「極めて厄介かつ難治性の症状」です。数年間都立病院のペインクリニックで治療を受けていましたが治らず、私のところに通うようになりました。胸椎への硬膜外ブロックを行うことで私はこの患者の痛みを半分以下にすることができました。しかし現状維持です。すでに2年間治療していますが「半分以下のままずっと同じ」です。 奥様にこの患者をご加持してもらったところ、左ではなく、右の肩に痛みを感じると言います。そして左の背中には特に異常を感じず、目の奥から首の後ろにかけて凝り固まった痛みの病変があると言います。 奥様のご加持診断による、「病症部位」は私の治療箇所とは全く異なる場所でした。しかし、私は奥様を信じ患者にこう説明しました。 「ご加持による診断の結果は延髄や脳に異常ありと出ましたので、今回はいつものブロックをやめて、上頚神経節ブロックをさせていただきたいと思います。そして右肩の痛みが強いとの診断ですので、右の首のところに神経根ブロックを行います。」と。 この私の説明が一般的にはどれほどクレージーかわかりますか? 左の背中が痛いと言っている患者の頭と右首に治療をしようとしているのですから。普通なら患者は私に不信感を抱くでしょう。 しかも、私自身も奥様の診断に完璧な自信があるわけではありません。いや、自信はあるのですが、奥様に出た反応を基に「どこにどのような治療をするべきかを組み立てる私自身の考察力」に自信がないという意味です。奥様の反応の正しさには100%の信頼を置いています。 ただし、反応は「一つの病気を表しているのではなく、複数の病気の総和で出ている反応」の可能性があるので、総和から原因箇所を逆算して推測するのが難しいのです。 だから私の提案する新たなブロックがこの患者に効くかどうかは未知数です。が、患者が快諾しました。驚きです。 後にこの患者が「なぜ私の突拍子もない提案に快諾したのか?」の理由を聞いて納得しました。すでにこの患者は「あらゆる治療」を試していて、心霊治療も受けたことがあるのだそうです。しかもかなり高額らしく、それでも治らなかったという経緯があったのでした。 ところが、私たちの診療所に来て治療をし、すでに症状が半分になったので「私たちのことを信じている」とのことでした。 そして患者はこういいました。「私はずっと右の首から肩にかけて痛みが強かったのですが、実は内緒にしていたんです。それを言い当てられてびっくりしました。昔、右肩の治療をしてもらって痛みが逆に増えたことがあって、それ以来、医者にはこの場所を治療してもらいたくなかったんで秘密にしておいたんです。」と、奥様の診断能力に驚き、即座に私たちの提案を受け入れたと言います。 さっそく私は脳や延髄の血行促進のための上頚神経節ブロックと右の第7神経根ブロックを行いました。 その後、奥様が仕上げに再度ご加持を行います。奥様のご加持はまず最初に右手を頭頂部に、左手を後頚部に当てるスタイルから始め、お唱えをしてから背中を両手でさすっていきます。 頭頂部に手を当てるとブロック前よりもブロック後に代謝がよくなっていることを感じ取ります。そして右肩から手にかけての痛みが緩和されていることも奥様は感じます。 「だいぶ代謝が上がってらっしゃいますね」と奥様がいうと 「はい、なんだかぽかぽかします。いつもは背中を触られるのもいやなんですけど、今背中をさすってもらっても全く痛みを感じなかったんです。こんなこと初めてです。」 この彼女の話に私はびっくり仰天でした。今まで2年間、必死に胸部硬膜外ブロックをやってきたのに治らなかったアロディニアが、奥様の診断に従って別の場所にブロックを行ったとたんにその症状が消失したからです。 「なんだ?この奇蹟は???」と心の中で私は叫んでいました。 二人の間に割って入り、私は訊ねます。 「右手の痛みはどうですか?」 「あら、痛みはないです」 「それはよかったですねえ」 患者は満面の笑みを浮かべていました。アロディニアになってから十数年、ここまで痛みが軽くなったのは初めての経験だったからです。患者がお会計を済ませて帰った後私は奥様に 「すごいよ!本当すごいよ!快挙だよ。奇蹟だよ。2年間ブロックをし続けても治らなかったのに、アロディニアが消えたよ。あり得ないよ。」と、私は奥様を大絶賛です。 西洋医学とご加持のコラボレーションの凄さが発揮されています。私は奥様の診断能力の凄さに改めて感心してしまいました。私のところにはこのような難治性患者ばかりが来院します。有名な霊能治療の先生に治療してもらってもダメという患者です。 次の患者は右手がしびれて困るという60代の男性患者です。「手のしびれ」という症状は私の診療所に来られる患者の中では極めて軽い症状であると言えます。しかし患者は電車で2時間半もかかるところから来院されています。それほど困っているし、手術を勧められて悩んでおり深刻です。 私は2週間前にこの患者に右の第6と7の神経根にブロックを行いましたが「全く効かない」と言われてしまいました。2時間半もかけて来院して「全く効かない」のであれば、普通は1回目で通院をあきらめるところですが、この患者は私に相当期待をしているようで今回も来られました。おそらく「何度か治療しないと効いてこない」と思っているのでしょう。 私は「では、今回は深めにしっかりブロックしますから」と言って再度同じブロックを行います。 「待合室で待っていてください。後で効き目をたずねますので。」と言って待合室に行かせます。20分後に待合室に行き 「右手のしびれはいかがですか?」と訊ねると 「変わりなしです」と言います。さすがにがっかりです。頚部の神経根ブロックを行っても全く改善なしというのは超ヘビー級の難治性です。基本的に私はここで「手詰まり」となります。私の診療所には「西洋医学で見放された患者が来院」しますが、その私が「手詰まり」を認めると、この患者はほとんど行き場がありません。治らないことを宣告されたようなものです。そして奥様に頼みます。 「右手がしびれている方なんだけど、神経根ブロックを2回やったんだけど全く効かないんだ。ちょっと診てほしいんだけど。」 「わかりました。」と即答。 ご加持をするとまたもや以外。奥様は 「左の後頭部に強い痛みとしこりを感じます。それと口のまわりにもしびれを感じます。目の奥に痛みがあります。右手は・・・確かにしびれていますね。」 というのです。この診断にまたまた仰天してしまう私でした。この患者は右手がしびれ、他の病院では神経根症と診断されており、手術を勧められているというのに・・・その原因が脳??? そして奥様は脳梗塞を心配しているというのですから・・・愕然。 さすがにこの診断では治療を勧めるにしても「患者に納得してもらうのは難しいだろう」と思います。ですが、はるばる遠いところから来院している患者なので「とにかく正直に結果を受け止めて治療するべきだ」と思い直し、患者に言います。 「A(奥様)の診断では左の延髄から脳にかけて病床部位があるとのことですから、一度首に上頚神経節ブロックをさせていただけないでしょうか?」とお願いしてみました。ちなみに、こんなお願い事は普通なら断られます。 と、患者は即座にOKとのこと。即座にOK!に、またまたびっくりする私です。 一応、右手がしびれるので、まずは右の上頚神経節ブロックを行いました。効果なしでした。次に奥様が言っていたように左に行いました・・・。その後にご加持を行います。 奥様は最初に診断のためのご加持を行い、ブロック治療後は治癒を目的としたご加持を行います。すると 「右手のしびれが消えてます」と患者ではなく奥様がいいます。奥様は患者が言う前に患者の症状の改善を言ってしまいます。ですが念のために患者にも訊ねます。 「右手のしびれはどうですか?」 「あっ、しびれていません。」 この時、私は別室にいたので状況を知りませんでした。が、後でこの出来事を聞いて驚愕します。 「え〜っ、しびれがとれたの??!! それすごいよ。ありえないよ。右手のしびれが左のブロックでよくなったってことは・・・延髄より上の脳が原因だったってことだよね。それが手をかざすだけでわかるなんてすごすぎる。」 私は奥様の診断能力にたまげてしまいます。「今日はすでに奇蹟が二つも起こったね。こんな風に治せるのなら、今まで治せなかった患者も治せるようになるぞ。すごいすごい!」 ただ奥様は口のしびれのことも心配していました。 「脳になんらかの異常があるかもしれませんので、一度MRIなどの検査をされた方がいいということは言っておきました。」「そうか、ありがとう。」 と、まあ、脳や延髄の病変をいいあててしまうのですが、実はMRIは1ミリレベルの異常は診断できません。病巣がある程度大きくならないとMRIには映らないからです。それに比べ奥様の診断では細胞の悲鳴を自分の体に転写させて理解するのでどんなささいな病変でも異常を感知できてしまいます。MRIなんて奥様の診断能力に比べれば、足元にも及びません。何千万円もする精密機器よりも奥様の能力の方が高いなんて・・・科学技術者たちが知ったら地団太を踏むことでしょう。 さて、奥様が何千万円もする精密機械よりも確かな診断力があることのほんの一部をみなさまに披露しました。が、上記の二つの話は、「患者が私たちを信じ切っている」という状況下でのみ成立します。患者に対して医学的な治療を行ってはいますが、その治療の基となっているのは奥様の霊能力です。つまり、霊能力を信じない方に「このような奇蹟的な改善」はあり得ないばかりか、ご加持を提案した時点で患者は私たちをキチ○イ扱いされ、治療が成り立ちません。 奥様はMRI(1回数万円)検査に勝る診断を下せるわけで、奥様の診断に一体どのくらいの金銭的価値があるか? どうか考えてみてください。私たちは患者から診断料金をいただいていませんが、だからこそ、患者たちは私たちに敬意や信頼を払う必要があります。この場を借りてこういうことを言わなければならないことを残念に思いますが、私たちに敬意や信頼を払えない方が来院しても治せません。 今回の件では、ブロック注射がどれほど上手な医師がいたとしても、霊能者的な診断がなければ、その技術をふるうことさえできないのだということを心に留めておいてくださいというお話でした。 |